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注目!ラクトフェリン 

腸内細菌バランス

免疫力を調節

 

『腸内細菌バランス、免疫力を調節―ラクトフェリン』
(記事:毎日新聞社転載)【2006年7月2日】




 

↑ラクトフェリンは新聞・テレビなどの

マスメディアにおいても注目される

素材のひとつ

◇がんや感染症を予防/C型肝炎治療に効果 

人の母乳や牛乳などに含まれるラクトフェリンというたんぱく質に腸内細菌のバランスを改善させたり、免疫力を上げるなどさまざまな働きがあることが分かってきた。科学的な検証はこれからだが、C型慢性肝炎の症状の改善にも効果があると期待されている。ラクトフェリンの最新の研究成果を紹介する。【小島正美】 

 

◆乳児に不可欠 

ラクト(乳)フェリン(鉄たんぱく質)は文字通り、ミルクに含まれる鉄たんぱく質。昔から、鉄と結合しやすい赤いたんぱく質として知られていた。母乳だと1リットルあたり約1~3グラムのラクトフェリンが含まれ、なかでも初乳は約5~7グラムと多い。 生まれたばかりの赤ちゃんは、母乳に含まれるラクトフェリンや免疫物質などのおかげで細菌に負けない体になる。 乳児の腸でも、母乳に含まれるオリゴ糖やラクトフェリンなどの働きで善玉のビフィズス菌が増え、腸内細菌が健康に保たれるようになる。ラクトフェリンは授乳期の赤ちゃんにとって必須の成分だ。 ラクトフェリンなど牛乳に含まれる生理活性物質を30年近く研究してきた島崎敬一・北海道大学大学院教授によると、ここ10年近くでがんや感染症の予防、免疫力の調節など、ラクトフェリンのいろいろな働きが分かってきたという。 島崎さんは「研究事例の中には動物実験レベルのものもあり、成果が直ちに実際の治療に結びつくわけではないが、大腸がんの予防やC型慢性肝炎などでは注目度は高い」と話す。

 

◆がん予防 

ラクトフェリンは、がん細胞を攻撃する免疫細胞のNK(ナチュラルキラー)細胞などを元気にする働きももっている。 この方面から、国立がんセンター研究所などはラクトフェリンが大腸がんの予防に役立つかどうか研究を進めている。すでにラットの実験では大腸やぼうこうなどのがんを防ぐ働きが分かった。 現在、国立がんセンター中央病院(東京)では大腸に5ミリ以下のポリープをもった患者にラクトフェリンのサプリメントを飲んでもらう臨床試験を行っている。結果は今秋にも分かるが、「期待できそうだ」(津田洋幸・名古屋市立大学医学部教授)という。 昨年、ハワイで開かれた第7回ラクトフェリン国際会議では、非小細胞肺がん患者を対象にした米国の臨床試験が報告された。既存の抗がん剤(シスプラチン)にラクトフェリンを併用した場合、治癒率が高いという中間報告だった。今後、最終段階の臨床試験でどういう結果が出るか注目されるが、医薬品としての開発にも期待がかかる。

 

◆C型肝炎 

もうひとつ注目を集めているのがC型慢性肝炎だ。現在、日本国内にはC型肝炎ウイルスの感染患者が約200万人いるといわれる。インターフェロンと抗ウイルス薬による治療が行われているが、有効率は4割前後と高くない。 そこで注目されているのがラクトフェリンを使う併用補助療法だ。横浜市立大学市民総合医療センターや三重大学などの試験報告では、ラクトフェリンの錠剤を3~6カ月服用すると血液中のウイルスが減ったなどの結果も出ている。 京都市の京都桂病院でも、患者82人を対象に1年間、臨床試験をした。血清GPTなどの指標で改善は見られたが、統計学的な検証はこれからだ。同試験にかかわった三浦賢佑医師は「効果を確かめる大規模な二重盲検臨床試験が必要だ」とさらに充実した研究の必要性を訴えている。

 

◆痛みの軽減

 ユニークなのはモルヒネの鎮痛効果を高める働きだ。がん末期の患者の場合、痛みを抑えるためにモルヒネを使うケースが多いが、段々と効かなくなる場合が出てくる。また、使い過ぎると吐き気など副作用も心配だ。 鳥取大学の原田悦守名誉教授と竹内崇助教授(獣医臨床検査学)らは、マウスを使った実験でラクトフェリンに鎮痛作用があるのを発見した。マウスにラクトフェリンを与えると、モルヒネの投与量を50分の1~100分の1に減らしても、同じような鎮痛効果が得られたというのだ。 竹内さんは「少量のモルヒネで鎮痛効果が出るのであれば、モルヒネをより長く使うことができる。実際に末期のがん患者が口から摂取して有効かどうかを確かめることが今後の課題だ」と話す。

 

◆骨粗しょう症 

一方、ラットを使った日本やニュージーランドの実験報告によると、ラクトフェリンは骨を作る骨芽細胞を増やし、骨を溶かす破骨細胞を減らして骨の成長を促す働きがあることが分かった。この研究が今後、高齢者に多い骨粗しょう症の予防に結びつくかどうかが注目される。 魚のタイやアユの養殖でえさにラクトフェリンを混ぜると病気やストレスが減るという報告もある。産業的な利用でも期待が集まる。 ラクトフェリンは、ごく少量ながら、涙や唾液(だえき)にも含まれる。島崎さんは「最近は、歯周病、目が乾くドライアイ、水虫や足の白(はく)癬(せん)にも効果的という研究が出てきた。何にでも効くという話には警戒が必要だが、さらに科学的な研究を続けていく価値はある」とラクトフェリンの将来性に期待を寄せている。……………………………………………………………………………………………………… 

◇国際会議で研究成果発表 

昨年10月、ハワイで第7回ラクトフェリン国際会議が開かれた。同会議は2年ごとに開かれ、今回は約120人が参加、ポスター掲示も含め、78の演題が発表された。 免疫調節、抗炎症、抗菌・抗ウイルス、抗がんなど数多くの研究結果が発表された。人と動物実験でコレステロールの低下など血清脂質を改善させる働きも発表され、注目された。 ラクトフェリンに関する学術論文はすでに全世界で4000件を超える。こうした研究の中からアンチエイジング(抗加齢)にふさわしいサプリメントや医薬品の登場が期待されている。(記事引用ここまで)

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