サメ抽出脂質

サメ抽出脂質はサメ肉から抽出したマコリピンと呼ばれるサメ抽出脂質を含有しており、そのマコリピンにはオメガ3脂肪酸とその他の脂質が独特な比率で含有されています。また、サメ抽出脂質にはマコリピンのみならず、オリーブオイル、ビタミンE、大豆油、ゼラチン、グリセリンが含まれています。これらの成分を含有するサメ抽出脂質には抗血管新生作用があるため、ガン治療に有効と考えられています。また、サメ抽出脂質に含有される成分のグリセリンに関しては、脳浮腫を抑制することができ脳腫瘍に対する効果も注目しております。

 

サメ抽出脂質の作用機序

 

血管新生抑制作用 

 

サメ抽出脂質の血管新生抑制作用の機序に関する情報はまだ少ないのですが、ポール・デイビス教授が、様々なサイトカインや成長因子による血管新生作用をサメ抽出脂質がどの程度抑制するか観察していますので、その作用機序に関するデータと私達の見解を以下に述べたいと思います。

インターロイキン2 (IL-2)

 インターロイキン2は、インターロイキンの中でも高い炎症性を示す成分です。炎症は血管新生に大きく関わっており、悪性腫瘍や慢性炎症における血管新生は、炎症性成分の強さに依存します。したがって、私達はインターロイキンを注意深く観察する必要があると考えております。 ポール・デイビス教授の実験では、IL-2単独では血管新生を27%促進し、サメ抽出脂質単独では28%抑制しました。IL-2にサメ抽出脂質を添加したところ、14%の促進を示し、完全な抑制ではありませんでしたが、サメ抽出脂質はIL-2の血管新生作用を抑制することが分かりました。 

インターロイキン-1β (IL-1β) 

抑制性インターロイキンであるIL-1β単独では、血管新生を16%抑制し、サメ抽出脂質単独では58%の抑制が確認されています。サメ抽出脂質とIL-1βの混合物では、相加作用が認められ、その抑制率は70%でした。これより、サメ抽出脂質はIL-1βに対する相互作用はないと考えられます。 

VEGF

 VEGFは血管新生を34%促進し、サメ抽出脂質は55%抑制しました。サメ抽出脂質とVEGFの混合物は54%の抑制が確認されています。 

その他 

サメ抽出脂質の抗血管新生活性の作用機序は、VEGFの血管新生作用以外では、FGF-2(形質転換増殖因子)およびTGF-β(繊維芽細胞増殖因子)の作用を抑制する可能性が示唆されました。また、血小板由来増殖因子(PDGF) による血管新生に対しては効果がないものと考えられます。 

抗炎症作用 


オメガ-3脂肪酸とオメガ-6脂肪酸 

オメガ-3多価不飽和脂肪酸は、ガン予防、ガン研究において注目を集めています。健康維持のためには、オメガ-3脂肪酸とオメガ-6脂肪酸の比率が非常に重要です。なぜなら、オメガ-3脂肪酸とオメガ-6脂肪酸は、細胞膜形成、酵素反応過程などで互いに拮抗するからです。 オメガ-3脂肪酸やオメガ-6脂肪酸からは物理的、生化学的に拮抗するエイコサノイドが合成され、それらの合成はこれら2種類の脂肪酸の摂取量に依存します。オメガ-3脂肪酸から作られるエイコサノイドには、3種類のプロスタノイド、5種類のロイコトリエンがあり、これらには抗血栓作用、抗炎症作用、血管拡張作用があります。また、オメガ-6脂肪酸からは、2種類のプロスタノイド、4種類のロイコトリエンが合成され、それらには血管攣縮性効果、免疫抑制効果、炎症促進効果、凝固性促進効果などがあります。 

アラキドン酸代謝 

生理的炎症は、以下のようにアラキドン酸代謝に深く関与しています。
抗原は生理的な炎症性メディエータが関与して除去されます。炎症性メディエータの合成には、オメガ-6脂肪酸やオメガ-3脂肪酸が必要となります。この複雑な代謝過程では、いくつかの酵素を必要とします。酵素によって、不飽和脂肪酸からプロスタグランジン1、アラキドン酸、プロスタグランジン3、ロイコトリエンB5が生成されます。抗原による炎症の除去または抑制には、炎症性メディエータの生合成が必要です。 
しかし、現代社会における主な問題は、多くの人々が持続性の炎症が関与する慢性関節炎、慢性気管支炎、慢性肝炎などの病気を患っていることです。この場合、メディエータが働かないため抗原が残ってしまい,炎症は通常のプロセスで抑制除去できません。 これらの持続性炎症の原因は第一に栄養の偏りです。つまり、アラキドン酸が豊富な食物(卵、肉、ソーセージ、チーズなど)を多く摂取し過ぎていることであり、アラキドン酸の過剰摂取は、プロスタグランジンE2を合成する時に必要な酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)などの活性を高めます。プロ スタグランジンE2は、炎症や痛み、トロンボキサンAの過剰生産よる血栓の原因となります。また、第二の酵素リポオキシゲナーゼ(LOX)が、アラキドン酸からロイコトリエンB4を生産します。ロイコトリエンB4は、痙攣、浮腫、腫瘍を増加させます。したがって、通常の病院食、肉、卵、ソーセージ、チーズなどをふんだんに使ったファースト・フードは腫瘍増殖を引き起こします。このような理由から、ガン患者の病院食を見直すべきであると思います。 
オメガ-6およびオメガ-3脂肪酸の不足と酵素活性の低下により、ロイコトリエンB5の代わりにロイコトリエンB4が生産されます。酵素の活性低下は、遺伝子変化、毒性効果、ストレス、アルコール、過酸化作用、ミネラル、微量元素、ビタミンの欠乏によって起こります。 抑制性の免疫細胞の減少、免疫複合体の上昇、血小板の上昇、オメガ-3脂肪酸の低下、アラキドン酸、トランス型脂肪酸の上昇、ミネラル、ビタミンの不足、急性期タンパク質の上昇といった代謝異常の検査データから、免疫状態の変化が分かります。したがって、アレルギーはこれらの栄養のアンバランスや不足によって起こります。 
結果として、多くの疾患は、このアラキドン酸代謝がもとになって起こります。ガンの増殖も必須脂肪酸の欠乏によって加速します。必須脂肪酸が不足しないように、肉、卵、ソーセージ、チーズなどの飽和脂肪酸の摂取を控え、亜麻仁油、ローズ油、魚油などの不飽和脂肪酸を多く摂取し、ストレスを回避し、セレニウムのようなラジカルスカベンジャーを摂取することが重要です。 

炎症に対する従来のアプローチは、非ステロイド性抗リューマチ薬あるいは糖質コルチコイドなどの投与です。非ステロイド性抗リウマチ薬はCOX1とCOX2の抑制剤であり、プロスタグランジンEを産生する経路を阻害します。VioxxやCelebrexのような新しいCOX抑制剤に関しては報告が多く、頻繁に使用されていました。しかし、その副作用から心筋梗塞を発症し、なかには死亡者が出たことから、各国で発売中止、使用禁止になりました。
糖質コルチコイドは、ホスホリパーゼA2に作用し、リン酸からアラキドン酸を産生する初期の段階でこのプロセスを阻害します。 私達は、これらの他にも非常に有用なリポオキシゲナーゼ(LOX)阻害薬を使用しています。インドで多く使われているボスウェリア酸は、LOXを阻害します。脳腫瘍患者の脳浮腫や脳腫瘍細胞増殖の抑制にボスウェリア酸が使われます。 EPAは、LOXを抑制しロイコトリエンB4の合成を減少させることによって、前立腺ガンの腫瘍形成と細胞増殖を減少させます。 

オメガ-3脂肪酸、オレイン酸摂取に関する研究報告
オメガ-3を豊富に摂取することによる、卵巣ガン、結腸ガン、乳ガン、膵臓ガン、前立腺ガンなどのガン抑制効果が数多く報告されています。 
Terriff氏は脂質が豊富な魚の消費と前立腺ガンのリスクには密接な相関があり、高脂質の魚を消費することで、前立腺ガンのリスクが軽減できると 2001年に「Lancet」誌 に発表しました。
日本では、乳ガンにおける脂肪酸とエイコサノイド合成抑制剤の役割について研究され、1995年に「Oncology」誌に発表されています。つまり、腫瘍学の研究では、オメガ-3不飽和脂肪酸の効果について、約10年前には既に議論されていたということになります。 オメガ-3脂肪酸が、進行ガン患者の食欲不振を改善することは大変重要です。これがサメ抽出脂質による治療を始めた理由の1つであり、ガン患者の食欲不振への影響があるか検討することが目的の1つでした。ガン患者の衰弱と栄養失調は、食欲不振を起こすサイトカインによるものであり、オメガ-3脂肪酸の摂取によって改善されます。Barber氏によって、膵臓ガンの体重減少に対する魚油の効果が研究され、ガンの予防や治療には、1日1.5gから4gのオメガ-3脂肪酸を摂取することが望ましいという論文が1999年の「The British Journal of Cancer」誌に発表されています。
最新の報告では、シカゴのノースウエスタンFeinberg医科大学の研究チームが、乳ガン細胞に対するオレイン酸の効果について研究しています。オレイン酸がHer-2 neuというガン遺伝子を46%まで減少させたという研究報告を「The Annals of Oncology」誌のオンラインのサイトで発表しています。Her-2 neuは、乳ガン患者の約30%に認められます。また、オレイン酸が乳ガンの抗ガン剤であるHerceptinの有効性を高めることも見出されました。興味深いことに、ある一定量のオレイン酸を摂取することで、腫瘍の成長を加速するHer-2というレセプターの遺伝子発現を停止させ、乳ガンを予防できるのです。

 

※このぺージは、グッドヘルスコミュニケーション様の

資料を引用させて頂きました。