LEMと肝臓

 

慢性肝炎ではウイルスが肝細胞を破壊するために細胞中のGOTやGPTが血液中に流れ出します。その結果、GOTやGPTなどの値が高くなるのです。「LEM」にはこれらの酵素活性を下げる、則ち肝細胞を保護する効果があります。
 

肝臓は「沈黙の臓器」といわれ、かなりダメージを受けてもほとんど症状らしい症状が出ません。しかし、ウイルスに侵されたり、大量のアルコールや薬剤などの処理がしきれなくなった場合は確実に病気になっているのです。

肝臓病のほとんどはウイルス性肝炎、慢性化するのはB型とC型

肝臓病は、大きく分けてウイルスによるものと、アルコールや薬剤などによる酷使によるものとがあります。近年、病気の解明が進むにしたがい、肝臓病のほとんどはウイルスによるものであることが明らかになってきました。ウイルス性肝炎のうち、A型肝炎ウイルスによるものは慢性化しないで治癒します。

一方、B型肝炎ウイルスのキャリア(陽性の人)とC型肝炎ウイルスによるものは、急性肝炎を経てから慢性肝炎と続き、さらには肝硬変や肝癌へと進展する恐れがあります。

 

 

日本消化器病学会71回総会
免疫学的肝細胞障害及び抗体産生におよぼすLentinus edodes Mycelia「LEM」の影響

北村、森沢、溝口、山本、戸田、大阪市大(医)、東大(農化)

 

 

演者らはADCC(抗体依存性細胞障害)反応および活性化マクロファージ(mφ)による肝細胞障害をin vitroの実験系で誘導し、それらに対する「LEM」の影響を検討した。

結果:ADCC反応および活性化mφの培養上清を分離肝細胞に添加培養すると、肝細胞における蛋白合成は有意に低下した。しかし、これらの培養上清を分離肝細胞に加える前に、肝細胞の一定濃度の「LEM」で前処理すると、蛋白合成の低下は有意に軽減された。

結語:免疫学的に誘導した肝細胞障害が「LEM」によって軽減することが認められ、「LEM」に肝細胞を保護する作用があることが示唆された。

 

 

第72回日本消化器病学会総会
パネルディスカッション;88 ROMA 国際消化器病学会 HBe抗原陽性慢性肝炎に対するLEMによる治療-多施設間open studyによる検討-

代表者:原田 尚、兼高達貳(獨協医大)(東京逓信)

 

 

HBe抗原陽性の慢性B型肝炎患者に対してLEMを1日6g、16週間投与し、安全性、有効性を検討した。解析可能であった69例について検討した結果、e抗原が有意に低下し、27%が陰性化した。
一方、e抗体も有意に上昇し、8.3%にセロコンバージョンがみられた。主治医判定による総合評価では肝機能改善度、全般改善度はともに47%で改善、有用度は56%であった。また安全度は高かった。肝機能検査成績について血清GOT、GPTは経時的に有意に低下し、一般肝機能検査7項目に対するMahalanobisの汎距離による検討でも改善傾向が認められた。血液学的、血液生化学的検査等で異常な変化はみられず、自・他覚症状にも重篤な変化がみられなかった。副作用は3例に軽微な症状をみたのみで、本剤の安全性は高いと思われる。

 

第6回アジア太平洋肝臓学会・LEMによるB型肝炎患者の治療

天ヶ瀬、山永:国立小倉病院

 

 

HBe抗原陽性患者40名に対し、LEMを毎日6g、4ヶ月間以上投与し、血清生化学的検査及びHBVマーカーを継続的に調査した。患者の内訳は、慢性活動型肝炎19名、慢性非活動型肝炎8名、臨床的に慢性B型肝炎と診断された患者13名であった。
HBVマーカーに関し、DNAポリメラ-ゼ活性は劇的に低下した。40名中17名は血清HBe抗原が陰性になり、うち10名がHBe抗体が陽転し、セロコンバージョン率が25%であった。血清生化学的検査のうち、GOT、GPT、ZTTは有意にに低下した。1名が投与期間中に腹部膨満感及び軟便を訴えた以外は、重篤な副作用は認められなかった。

 

第4回日本補完代替医療学会学術総会・C型慢性肝炎に対するLEMの治療効果-長期経過について-

高島、佐々木、湯川他:湯川胃腸病院(食内)(放)(内)、野田食菌

 

 

C型慢性肝炎7例(うち肝硬変2例)に対し、LEMを1日6g、12〜22ヶ月(平均17.4ヶ月)投与し、毎月肝機能検査、core抗体価、HCV–RNA定量、AFP値を測定した。その結果、57%(4例)にGOT, GPTの改善が得られ、CHEは86%が改善または不変であった。C型肝炎ウイルスの抗体価の低下は14%であったが、43%にウイルス量の低下がみられた。投与中の副作用、症状悪化等は全くみられなかった。不変例の中には、強力ミノファーゲンCの投与量を削減できた症例も含まれていた。
以上の結果から、LEMは肝炎の抑制、肝機能の改善に有用であると考えられた。また、LEMによるウイルス抑制の可能性も示唆され、C型肝炎に対するLEMの治療効果は緩徐ではあるが有用性が高いものと考えられた。

 

第3回日本補完代替医療学会学術集会・C型慢性肝炎に対するLEMの長期使用経験

中村、堀田、重田、鈴木:上市厚生病院(内)、金沢大(産)

 

 

C型慢性活動性肝炎4例(うち肝硬変1例)、年令54才〜60才、男性1、女性3に対し、LEMを1日3g、18ヶ月以上投与し、血液検査、自覚症状、副作用等について調査した。併用薬剤、治療は投与前と変更せずそのまま継続した。その結果、4例中2例に投与1年を経過した頃よりGOT、GPTの低下傾向を認めた。また、2例に全身倦怠感等の自覚症状の改善が認められた。副作用及び血液検査上の悪化は4例いずれにも認めなかった。
今回の症例では、12ヶ月を超える長期内服後に改善傾向が現われたが、1日の投与量が少ないためか、C型慢性肝炎に使用した場合の特徴なのか判定し得ないが、肝機能改善の現われていない2例においてもさらに長期内服による改善の可能性があると考えられた。

(上記野田食菌HPより抜粋)